2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

その364

風が吹いていると書いてあって、実際に風が吹いているとしても、その中身までは書かれていない。つまり、言葉はそれが文章になっても、それ全体として記号なのではないかと。書かれたこと、語られたこと。その向こうに真実が拓かれている。記号には記号の意…

その363

何かを知るためには、知らないことをいったん排除しなければ知り得ることができないのではないか。知ろうとしてその全体を追いかけていくなら、その終わりがない。終わりがないことをすべて知ることはできない。なぜ部分だけ知っても、それ自体として成立す…

その362

知らないことがあることをして自然とし、かつ、知り尽くせない。それが一個のりんごであっても、そのなんたるかは知り尽くせない、その不可能性をもって自然と呼ぶこととは何か。その全体を知ることで初めて、それ自体を知ったことになるとき、知識はその全…

その361

認識にないことが認識したことと関わっていることが常にある。そうしたとき、認識とは何か。形式か。どういった意味で認識が成立するのか。しているのか。ある全体としての部分を認識したとして、それはなぜ成立するのか。認識のうちになぜぴったりとハマる…

その360

すべてが順序正しく起こっていると捉えようとするとき、それはあくまでも認識内でのできごとに過ぎない。認識の外ではどうなっているのか。やはり順序正しく起こっているのか。認識の外にあるできごとは認識の外にあるのだから認識できない。認識は認識でき…

その359

純粋に存在があるのであれば、すべてはその順序通りに起こっていると考えられる。そこでは、認識通りに存在がその変化にあることを意味する。認識はその合理性や論理性を旨とすることから、そこには順序があると考えられるが、実際に世界の全てがなにかしら…

その358

あらゆる個体からその主体性が発揮され、それらすべてが認識をもつとき、その総合が絶対複雑性を表すのであり、一個の認識はそれ自体として純粋にただそのようにある。純粋さを足し合わせていけば、カオスにしかならない。一点を定めることで、その他の差異…

その357

存在する限りの認識主体とは何か。しょせんは、人間の人間による認識により、その主体を見出すことになる。人間が考えることが万事ではないのはいうまでもない。万事のうちの一部が人間なのであり、その人間が行うことで発生する現象なのであり、それがまさ…

その356

複雑なのは、その対象が複雑なのではなくて、理解しようとする側に要因がある。複雑にしか理解できないことから、その対象が複雑なのである。世界にはさまざまな認識主体があり、それぞれが認識機能を独自に持っている。その機能により認識を行うことで、そ…

その355

複雑すぎて分からないことがある。その複雑さとは何か。人間の認識機能にそぐわない。単にそれだけの理由が、その複雑さの原因か。複雑に感じられることは単に理解の難しさが原因にあるだけで、理解が難しいのは、認識主体からすればそのようにあるだけのこ…

その354

関係性があるのであり、一個の現象が独立してあるのではない。つねに周囲がある現象はそれがそのようであるには計り知れない訳が潜んでいるに違いない。関係性のあり方がどのようにあるか、そのことを知ることが一個の現象を知ろうとすることだ。一個の現象…

その353

何かそれがあること、それは有限であり、その限られた実在をもとに、それ自体が動く。いったい何のために動いているのか。あらゆる実在はその目的を持っているのか。人間は何かの目的を持って動くことがある。それを意識が行うことがある。意識がなければ、…

その352

私がいて、意識がなければ、私は私がいることを知らない。私としての活動はある。動くことはある。何らかの運動のなかに投じられた身であるのだから、意識がない私であっても、動くには動く。存在すればそれは動く。しかし、意識があることで動きをいくらか…

その351

何かがあり、それ自体が所有する関係性が意識をうむのではないか。それ自体になぜ意識があるのかは、それ自体が関係性のうちにあるからではないか。それ自体でありつつも、それ自体ではないことから影響を受けて、それ自体として実在するとき、それ自体とそ…

その350

それ自体であるためには、それ自体を支配下におく必要がある。支配下にあるといっても、そのすべてを支配できるわけではなく、ある部分を捉えることができるに過ぎない。あるいは、その全体のような何かを捉えようとすることがあり、それがそれ自体を存在さ…

その349

現実とはそのリアルタイムに起こっていることのすべてである。起こったこと、起こっていること、起こるかもしれないこと、そのいずれもが現実であるが、物質として存在するのは起こっていることだけかもしれない。起こったことはもはやどこにもない。起こる…

その348

万物が時間の支配下にある。そんなイメージがある。時間とは存在すると考えられる物事のうちでこの現代をしても抽象的で、その実態がはっきりとしない。万物を支配下におくといった意味では、神と同類な感じがしないでもない。神もその実態をして抽象的であ…

その347

いつのことなのか、それをおおよそ定義したとき、何かがどうであるかはいつのことなのかによって規定されていると考えることができる。そうであるのはそういった性質にある世界だからで、時が経てば、世界の根本性質のようなものが変わる可能性がある。現に…

その346

存在にとって質とは何か。量が元あったうえで、その存在がその他とどんな関係にあるか、そのことを存在の質と呼ぶことができないか。そのものそれ自体だけでは質は生じない。何かとの関係性の上で生じるのが質ではないか。質とは、たとえば、人間の関係のう…