それ自体であるためには、それ自体を支配下におく必要がある。支配下にあるといっても、そのすべてを支配できるわけではなく、ある部分を捉えることができるに過ぎない。あるいは、その全体のような何かを捉えようとすることがあり、それがそれ自体を存在させる為に必要な操作となる可能性がある。人間はみずからを多少なりとも操作できる。何を食べるか選択可能だ。ただ結果的にどうなるか、問われているのはそこだ。植物もまた考えることによって、みずからの存続を後押しするような行動をとる。そういった意識を持っているのかもしれない。その意識がどこに生じるか。それはそれ自体が存在していることによって生じる関係性のことではないか。意識とはその元になる個体がその周囲と関係する、その運動によって実在しているのではないか。ただ何かがあるのではない。何かがあれば、そこには関係性があり、かつ、それゆえに意識が発生するのではないかと。
