その595

 世界はそのすべてが具体的であり、そのすべてが何かとしてある。何かとしてある世界は一通りしかない。一通りの世界であるが故にその具体がある。具体的な何かそのすべてが詰め込まれているのが世界であり、何が詰め込まれているのか、その全貌は明らかではないが、全貌が存在するのは明らかだ。全貌があるが故に、世界はある。少なくとも言葉にすればそういうことだ。際限もなく実在するその仕方は実在不可能だ。何かとして具体的にあることが世界を構築している。