その582

 存在していて、存在していないものについて、つまりはどこかにあればそれは存在している。どこにあるかとなったとき、頭の中にあるだけのことも存在しているとさしあたりは言う他はない。物質としてそれがあるのと、頭の中にだけ観念としてあるもの。観念としてあっても、その観念が示している物質は存在しないとき、その様を的確に表現し、みなで認識したいところだ。

 頭の中にだけしかない精神内物質は、精神内にしかない。たとえばそれが未来だったりする。未来は頭の中にしかない精神内物質であり、過去もまた実際にそれを体験することが一切できないといった意味で頭の中にしかない精神内物質である。