その577

 認識外の何かと関係していることは確かだが、それが認識外にあるのだから、はっきりとしない。わからないからないというのは絶対に違う。わからなくとも、つながっていることとはつながっている。つながっているから実在している。実在の要因のすべては明らかではない。よくわかっていないことも含めて、私は生きている。私はみずからの認識内に閉ざされた存在ではない。あるようにある。認識外の何かとつながったうえで生きている。知らないものと関係している。知らないものと関係している私が関係していることは認識内において閉ざされていない。つまり、私の知る関係性はつねに不完全ということだ。おそらく、その全体はある。私を生かすための関係性により私は実在している。その関係性のすべてのありようは認識されていない。あるようにある事実とは反対に認識はあるようにある状況を捉え切れていない。その全体に対して認識は部分でしかない。認識の部分をどれだけかけ集めても全体にはならない。私は完全に実在するが、私の認識は不完全でしかない。