その616

 過去の世界と現在の世界は実質的には分かれていないはずだ。しかしなぜか、過去の世界があって、現在の世界がある。過去の世界とは、しかし、認識内の実在でありながら、認識外の実在でもある。世界とはそもそも認識内に閉ざされたものではない。世界の広がりは常に認識外にある。世界が認識の外にあるのに、なぜ認識内において認識が成立するのか。認識外の世界とつながっているはずではあるが、なぜ認識内において認識が成立するのか。