その461

 関係それ自体は、個別に実在するものがあることで生じる現象である。何かがはっきりと個別に実在しない限り、その初めからすべてがつながっていることになる。何かが個別にあるとき、それは何かしらとの関係を築くより他はない。関わってしまう。

 何かを個別の具体とみなしたときに関係性ができあがる。認識の外ではどうなっているのか分からない。認識の内では、個別の具体がいくつもある。自然にそのようにあるのかどうか、それは分からない。認識の外に自然があるとき、私たちは自然本来の姿をすることができない。私たちが知っていると思っていることはすべてが認識の内においてのことであり、それを認識内現象と呼ぶことができる。私たちの知っている世界とは認識内現象によって生み出されている。認識内現象に私たちの知っている世界があり、かつ、私たちは知らないがそれでも確かにそのようにある世界が認識外にある。