その562

 何かの根っこが一元的にあるのかどうか。何かがあることと他の何かの原因が同一かどうか。何かという具体性の実在は、無限拡散するエネルギーを押し留めようとする力である閉鎖力によって生じているのではないか。姿形のない無限拡散状態のエネルギーを封じ込めるような力が働くことで、何かがあるのであれば、世界にあるすべての具象はその原因を単一さに見出することができないか。むろん、何かがあるためには閉鎖力だけではない。まず先にあるのは無限拡散するエネルギーだ。エネルギーは本来的には姿を持たないが、閉鎖力によってエネルギーが姿形を持つこととなる。そうした現象が一元論の文脈に沿うのかどうか。一元論とはつまり、何か。大元が一つであるとは、どういった意味のことなのか。閉鎖力が万物に働いているとしても、それが万物の大元であるかどうか。なぜ何もないのではなく、何かがあるのか。それは閉鎖力以前のエネルギーに原因があるのではないか。すべてはエネルギーであって、エネルギーが万物の根っこではないか。欠くことのできない何か。それはエネルギーであり、すべてがすべてエネルギーが姿形をかえて実在しているのではないか。あるべきはまずエネルギーか。しかし、エネルギーがあるための原因を考える必要がある。エネルギーの実在に明白な原因があるなら、それが今度は万物の原因となるが、それ以前にもまた何かの具体的な原因があることも考えられる。