震えによって生じるエネルギーの原因を差し向き、意味としたとき、意味によって存在は震え、エネルギーが発生している。意味が震えているのではない。意味があるから何かが震えるのだ。そのときの意味とは何か。言語ならざる実態をして意味という他はないのかもしれない。存在するすべての物であっても事であっても、とにかく何かがあればそれは意味としてあり、存在のあらゆる細部は意味で埋め尽くされている。意味をもたない瞬間はどこにもない。
存在それ自体にとって、自らは有であるが、有ならざる無は、存在それ自体にとって実態にカウントされるのかどうか。有は無となる。無といった余白があることで有は有として現象可能なのではないか。有としてある何かが運動しながら実在するためには、その向こうに無がなければならないのではないか。それなら無は実在として認識しなければならない。意味としてある無が実態としてなくても、意味としてある限り、無はある。無がそれでもあるということの意味は、たとえ無は無であり、いかなる存在にとっても接触不可能な実在であるとしても、無の実在をなくして、何も動かない。何かが動き果てるためには無が絶対的に実在しなければならない。無は実在する。有の彼方に。それは我々のみならず、あらゆる実在が接触不可能な出来事としてある。
