その550

 何を知らないかについて知り得ることがあり、知り得ないことがある。何かを知らないとき、知らない何かがあるが、何について知らないのかまったく知らないとき、その知らない何かは精神とはつながっていない。物質的次元では、たとえまるで知らない何かであっても繋がっている。無意識につながっていることが無意識によって知られていると考えるなら、私は私の知らないことを知っていることになる。

 知っているとは何か。いかなることか。関係していることであれば、そのすべてを知っているといってもいいのだろうか。精神のおいて捉えられていないからといって、その他のことを知らないのだろうか。知っているから、いや、知っているようにして、精神の外にある何かと関わり、反応し合っているのではないか。それゆえに、たとえば私は生きて実在することができているのではないか。