その534

 世界を感じたとしても、それがそのまま世界の真実かどうか。感じたことそれ自体は真実といっても差し支えないが、感じたことだけが真実なのではない。というか、感じたことは、感覚主体と世界の関係において真実なのであり、感覚対象である世界の断片がいかにあるか、それは感覚主体の感覚によるのであり、同一の感覚対象であっても、感覚主体の多様性により、その真実はいくつもある。いくつもある方に真実がある。