その535

 真実は多様にあり、その真実多様性が世界を動かしている。ある一個の現象について、いくつもの姿によって語られるとき、ある一個の現象についての解がいくつも多様にあることになる。そのいずれもがそう述べられたことにおいて真実である。ある一個の現象に対峙する何かの数だけ真実がある。一個の現象がいかにあるか、それはそれと対峙する何かの性質による。一個の現象それ自体がいかにあるかは、それ自体にはない。何かはつねに何かとの反応関係にある。具体的に何と関係しているかで、関係対象のあり方は異なる。そのいずれもが真実であり、つまりは多様である。