その518

 認識は運動する。数式であってもそれは運動に合致することで実在している。数式は動かないというか、数式はある構造を示すのであり、それは単に、あるパターンのことではないか。数式が捉え切った世界の構造とは、そのようなパターンが実在していることを意味しているに過ぎないのであり、それは世界には数式が捉えることのできるいくつものパターンで溢れていることを意味するのである。たとえば、重力もひとつのパターンであり、私たちに認識可能なパターンであるのではないか。この世界に、重力という力が私たちに理解可能な姿である。その重力も世界それ自体にとっては、単なる存在の仕方におけるパターンに過ぎない。世界には重力という運動が作動することで繰り返されるパターンがある。それは繰り返される。再現される。つまりは科学だ。