その491

 数と数の間に数になりきらない数がある。何かがいかにあるかと問うとき、そのありようが数に置き換わったとしても、その数がそのありようを完全に捉えたというのではない。捉えようとする対象がいかにあるか、それは数の実態では捉えきれないのではないか。なぜなら、数はそれが動いているとしても、その対象となる何かが「無限における一点として実在する」ことを捉えることができないと考えることができる。無限という際限のない運動の中ほどにある一点とは何か。私たちが認識できるのは、「無限ではなく、無限における一点」でしかないのではないか。