その490

 認識がそのまま世界それ自体に同期するとき、世界を知ったことになる。むろん、それは部分だ。世界の部分を断章的に知ったのだ。ある方程式に数を加えると、その数が動き出し、それがそのまま世界と同期する。世界をそのままなぞる数があるとか、ないとか。数にもまたその領域がある。数が捉え切れる領域は世界よりか小さいはずだ。世界は数よりか広い。どんか数をあてがっても、なおそれを超える世界がある。数になりきらない何かを世界は含んでいる。数量化された何かのすべてが数に置き換わることはない。動的な数値がその数をどこまで紡いだとしても、その向こうに世界の真実の姿がある。