その483

 認識外と認識内を截然と区分けすることはできないのか。認識していないことはそれでも認識していないのであり、認識していることは認識しているのであり、それは排中立にないか。認識の現象におけるあいまいさはどこまであるか。認識していないようでいて、認識していることがある。認識しているようでいて、認識していないことがあるとき、認識それ自体の内実に不確定要素があることになり、一概に、認識内と認識外を定めることはできない。

 ただそれでも、意識されていることとは別に、私たちの認識機能において、物質レベルで認識内と認識外をはっきりと分けることができると考えることはできる。それは、あるならあるで、ないならない。あるようでいてないものはない。ないようでいてあるものはある。あるかないかの何かしかないとき、認識内と認識外ははっきりと分かれていることになる。