その450

 世界とは何か。それはあるがままある。あるがままある世界をそのまま知ることはない。私たちは私たちの認識を通じて世界を知っている。認識していることだけを知っている。認識できていないことは当然ある。認識内存在のみが存在ではない。存在は認識外にもある。何が存在していて、何が存在していないのか。それは存在の全体がはっきりとしない以上、何を知っていないかははっきりとしない。仮に全てをしていても、知っていない何かがあると考えることになる。かりにすべてを知っているのなら、何を考える必要があるのか。