その449

 力の実在は、力そのものの実在といえるのか。結果的にそうした力がある。力とは、存在の原因ではなく、結果ではないか。存在とはその原因として実在することに対する結果も含むが、結果にいたる原因こそがまず実在する必要がある。なぜ世界があるのか。それは結果としてそのように世界があることはなぜか。その原因を問うているのではないか。世界はその原因によりできているのであり、その結果によりできているのではない。確かに現にある世界はその結果としてあるが、その表層の裏に確かな原因があるのではないか。なぜ世界があるのか。それはそのようにあることを意味するのではない。なぜ、そのようにあるか、そのことそれ自体の実在について知りたいのである。現にある世界を生み出している、その底に何があるのか。それは確かにそのようにあるはずで、それは実質的に底ではないのかもしれない。世界に裏も表もない。ただそのようにある。しかし、そのようにある世界をそのように知ることはできない。それゆえに、世界には底や裏がある。そう感じられる。そう感じられることでそのような状況がこの私たちを通じて世界に実在するのだ。