その運動である万物は、そのどこまでを記号となって実在しているのか。それ自体がそれ自体であることがどれほどの時間、可能だろうか。りんごがりんごだとしても、どの瞬間のりんごも異なっている。あらゆるりんごのあらゆる瞬間は異なっているとき、りんごのどこを取り出しても、同一のかけらは実在しない。それがりんごであることはでは、何がそうしているのか。りんごはりんごであるといった集合である。存在の幾つもを集め切って、それ自体であろうとしている。なぜそれが可能なのか。この世界に秩序なるものがあるからか。秩序とは何か。この世界の順番のことではないか。あらゆる現象が起こるためにはその順番がある。自然にそうなることがある。自然がこの世界を支配している。
