その417

 永遠とは何かしらがつねに存在して、いわゆる世界が無となってしまわなことを意味する。世界の完全消滅はありえるのだろうか。世界において認識主体が属する地点がたとえば地球のようにあって、地球が崩壊して無となったとき、それが同時に他の存在のすべても無となったかどうか定かではない。さしあたり地球が壊滅すれば、私たちという認識主体がいなくなる。認識主体が存在することで、世界が完全に無となったかどうかの判断が、それがどれほど難しいことであっても、可能となるわけだが、地球だけが無となったのか、世界全体が無となったのか、さしあたり、地球が無となった瞬間に認識主体は消滅しているので、どの程度無となったのかその確認がまったくできない。それゆえに、私たちは世界が完全に無になったかどうかの判断ができない命運にある。誰一人いない世界では何が起ころうと、誰も確認していない。誰も確認していないことがどう起ころうとまったく何のことか分からない。世界全体の無が実際に存在したとしても、それを確認できない私たちにとって、存在しているのかどうか、定かではない。ただそれでも存在がいかにあるかは、つねにそのように、あるようにある。知っていようが知っていまいが関係ない。すべてはあるようにある。あるようにある世界のすべてを知ることなど到底できない。確認できる部分だけを知っていて、それが全体の何割がそれもまったく分からないのではないか。