その395

 限界とは何か。永遠に越えられない何かがいますぐにでも足元にあるのだろうか。越えられてしまう限界は限界ではない。これは永遠について考えたのちに答えなければならない。永遠とは何か。翻って、完全なる無とは永遠ではないか。永遠に実在することのない何かは永遠に無として実在することが可能ではないか。その実在とは私たちの観念のうちにある。観念としてはあっても実際に物質としては実在しないことがいつになっても実在しないなら、それは永遠的な実在であると考えられる。しかし、いったい、空飛ぶトマトが永遠に実在しないだろうか。いつの日かトマトも空を飛ぶかもしれない。なにせ時間は永遠にある。そういった措定のうちにおいて考えられることだ。終わりなく時間においては、私たちの思いつく限りの観念のすべてがいつか実在するようになる可能性がある。永遠とはだから、あらゆる可能性の実在する場のことではないか。それは観念的な意味においてではない。実質的に永遠の時間が実際にあるなら、すべての可能性が実現するのではないか。そう考えることが妥当ではないか。