その380

 世界で起こっていることに例外的な現象は実際にあるのか。いつもと違うことが起こるのが当たり前であれば、例に漏れる現象は実在しない。ただの一度しか起こらないことがあるなら、それは例外かもしれないが、それに類似した現象が起こることが前提になる。ただそのとき、ある領域でくくったうえで、その例外が実際にあることになるが、領域の設定自体がまず最初に簡単にはいかないのではないか。領域に対しての例外であるとき、例外の設定を間違えているか、そのことに気づくことなく、例外と定めているようであれば、それは実際に例外かどうかの判断がつかない。それでも例外があると言い切れるだろうか。言い切るためには領域を絶対的に規定する必要があるが、ある条件づけのもとにおいてなら、領域の絶対的な規定は可能だが、条件づけがないとき、領域の設定は根拠を欠く。もっとも、条件付けされた何かであっても、その条件付けがなぜなされたかを問えば、その絶対性は即座にその安定性を認識行為者のうちで崩れ去ってしまう。