その373

 ないものがある。永遠にないかもしれないものがある。永遠に世界があっても実在しないものはいくらでもあるのではないか。永遠にあるなら、いずれは存在するだろうか。時間を費やした世界はそれだけ存在の物理量がこの世界において増したことになる。時を経れば経るほど、それだけ世界は存在のあり方を増やす。それゆえに考えられる存在のふえるのではないか。それに対して、存在し得ないもの増えていく。時間の経過の分ふえた存在のあり方をもとにあり得る何かを考えることは増していくばかりで、それゆえに、実在しない何かもふえる。実在の量に対して、非実在も増えていく。永遠に世界があるとき、時間の経過が終わりなくあり、それは実在の増加が終わりなくあることを意味する。終わりなき実在をもとに、実在しない何かも果てしなくある。