その138

 認識とは、その認識に外部からの働きかけがないときは閉じた系となるが、働きかけがあることを前提で考えれば、認識はさらなる運動をするのだから、解放系である。関係性それ自体が一個の認識のうちでさらなる発展を遂げることが考えられる。ある対象についての認識がその認識内部で変化する。内的な発展を遂げる認識は、その拡張であるが、その拡張とは関係性の増加であり、認識対象の拡張ではない。