その103

 いっしゅんのうちにすべてがあると措定したとき、そのうちなる関連性とはいかにあるか。関係性の連鎖がいっしゅんのうちにすべてを包含することはない。関係性の連鎖とは運動であり、いっしゅんといった時間のなかで、その蠢きがいかにある。一個のりんごを主たるものとしたとき、その存在が関わることがどこまでか。確かにそんざいのすべてにおいて、そのりんごは欠くことができない。途端に消えてしまえば、そこに穴があき、存在のすべてが崩壊してしまう可能性がある。いな、りんごが途端に消えても、他の何かがそのりんごがあった空間を埋めるのだから、そのりんごはあってになくてもいいと考えられる。何かそれ自体がなくてはならないものなどない。無となることなく、何かがあるためには、なんでもいいからあればいい。在るとは何か。