その28

 存在はするが、関係のないもの同士という関係はあるのか。ある時刻に起こったことが、他の時刻に起こったことと永遠に交わらないとき、存在は分断にある。AとBが永遠に交わらない可能性を持ったのが存在のありようではないか。ただそれでも単に、私たちに認識できないだけで、関わりを持っている可能性もある。関わっているかいないかの判断は関わっていることしか、判断下にはない。私たちとは私たちの下す判断のもとにいる。判断停止も含んだ判断が私たちの営みの根っこにある。いかなる判断を受け継いできたのか。あす、何を判断させられ、自己の外部に触れるのか。好むと好まざるとに関わらず、私たちは哲学的な実在である。判断が容易ではないときがある。他への働きかけが判断の根っこにある。自己の利益を思う判断でも、自己の利益だけで完結する話ではない。関係性を考えていったとき、遡上にあがる要素をできうる限りをあげてみれば、どこへたどり着くか。ボタンを押したことが何につながっていくか。一瞬先の世界が闇の中に広がっている。