その25

 数値は対象を完全に捉えきらない。完全性があると措定したとき、何もが不完全にしか把握されない。動きそのものは定点を持たない。数値の変容は連続しているか。そのようなものは存在しないが仮に数値から数値へと移り変わるとき、その間には把握不能な数値が現実に浮かび上がってくることなく、実際にあるのではないか。1から2への間には、無限を超えた数値が宿されていると考えられる。無限とは定点を持たない運動である。実質的にあるのはカオスではないか。1から2の間には定点がないなら、存在するのはカオスでしかない。「同一の瞬間にAであり非Aである」のをカオスを言うのではないか。