その618

 認識は閉じていることで成立するが、認識内容は認識内において閉じていないはずだ。閉じているから成立するものが閉じていないこととは何か。認識はその成立にあることで実在している。その成立のためには、何がどうなっていればいいのか。つまり、認識内で完結するように世界ができていないといけないといったところだろうが、確かに世界は認識内で完結するようにできている。しかし、世界は認識の外にも広がっている。なぜ認識の外にも広がっている世界の部分を認識内に閉じ込めてしまうことができるのか。世界の部分だけを取り出してなぜ、それを世界として認識してしまうのか。我々はやはり、自意識過剰なのではないか。