その584

 未来それ自体はどこにもない。いや、精神の内側にはある。精神の内側は世界の一部だ。世界の一部である精神はこの時空間のいずれかの場それ自体である。精神という場で起こっていること。それは精神の内側で閉ざされていることであり、精神の内側にあった物事が精神の外に出たなら、それはどういったことになるのか。精神の生み出した物事は運動し、精神の外にでる。そのでどころにおいては純粋だった精神内物質も精神の外にでることで不純となる。動的な万物は原初そうであったことから姿を変えていく。オリジナルかどうか。精神内にあった物事はその時点ではオリジナルだった。この世界にはいくつものオリジナルがあり、そのオリジナルから姿を変えた物事で溢れかえっている。この世界にはいくつものオリジナルがあるといったことがつまり、原初的な場がいくつもあることを意味する。始まりをいくつも抱え込んだ世界は同時にその終末にいたるまでの道程を動いていく物事とともにある。何かが始まった瞬間に何かはその終末にいたるプロセスにある。始まり、動き、果てる。始まらないものは動かない。始まって、実在することで動き始める。そして果てる。そのサイクルが個別にいくつもある。この世界とはだから、始まりから終末に向かうプロセスの束でできている。そうではないか?