その594

何かが何かと反応するためには、何かと反応するための空間が必要となる。空間ができたところに何かが入り込み、反応する。むろん、空間ができたといっても、何もない場を意味するのではない。では、何かがある空間ができるとは、どういった意味か。運動する何かが変化しているときに、他の何かと反応するための用意ができたことを意味する。いや、用意ができている状態それ自体は実在するのか。するかもしれない。何かがあって、他の何かと即座に反応することなくとも、他の何かと反応するための用意だけが整っている何か。そんな何かが実在する可能性はある。用意があっても即座に反応するわけではないのかもしれない。あるいは、その用意とは偶発的な状況かもしれない。たまたまある状態になったことが他の何かと整合的で、反応する。何かと反応したのは必然的としても、それらがそのように必ずなる必要があったかどうかは定かではない。ある状態にあって、たまさかそこに相性の良い何かが現れて反応した。その状態をして、用意ができていたと私たちがいっても、それはそのために用意されていたというのではないのかもしれない。