その562

 0.0000000・・・が続いていきさえすれば、最後に1がつかなくても、何かがあるのかないのか。小数点以下にずっとゼロが続いていっていること自体、何かが在ることの証左ではないか。つまり、運動がなされているから、小数点以下にゼロがずっと連なっていく。それは、ゼロのままのようでいて、ゼロが増え続けている。動いている。動いているその事実だけで何かがあることを示す。それゆえに、0.000・・・は0ではない。無ではない。存在する何かとしてある。それはたとえば、あるりんごの木にひとつのりんごも実っていないことを示さないか。