その545

 認識それ自体が現実を切断するが、切断された現実がそれ自体で意味をもつのは、切断されたままではないからだ。切断された現実に変数を与えることでその現実は動く。動くから意味をもつ。動き続ける現実は変数それ自体の変動とともにある。そこに形式としての式がある。形式それ自体は世界の構造の一点を捉えているのか。構造的に同一であるとしても、現実は変わりゆくものとしてある。めちゃくちゃに変わるのではない。ある構造内において変化していく。それが数式に変数をあてはめることの意味である。構造が変数によって動く。変わりゆく量が構造を動かしていくが、そのような構造であることは変わりない。そのような構造の意味は定かではない。どのような構造であれば構造として同一なのか。かわりゆくものが同一であるとはいかなる意味をもつか。