その471

 物質はそれがあるだけで、その自然において、関係性を構築する。関係性が出来上がっていくこととは、構造ができあがっていくことを意味する。何かが存在すれば、それはその自然において、構造ができあがっていく。とはいえど、存在するが、何の構造にも関わっていない何かがあるのかもしれない。存在するが、何とも関係性を築くことなく実在する。ただあり、あらゆる構造の網の目を掻い潜って実在する何かがあってもおかしくない。可能性としてそれはあるが、実際にどうか。

 あらゆる構造のうちに実在するのではない何かは、その本来において完全なる自由なのかもしれない。他に関与されることなく、自在に動いている。ただそれでも、自在に動く意味を考えてみたい。なぜ何かがそのように動いたか。その動きには常にそれ自体の思うところだけが関わっていたのか。他からの影響をいっさい受けることなく、ただそれが自在に動くこと。それは、それ自体が完全なる自由を内包していないといけない。あらゆる瞬間において自由である何かがあるのかどうか。関係性の一切ない実在があるとしたとき、それがいかに動くか、それはそれ自体による運動でしかないが、そのような何かが果たして実在可能なのかどうか。