その538

 生命の現象が非生命の現象と関わっているとき、生命の現象は非生命の現象を含んでいる。生命現象が非生命現象を含んでいるとき、非生命現象は生命現象の一部である。そのとき、生命と非生命の境界は実在するのか。関わりのあることがそれ自体、いかにあるか。生命は非生命をもとに実在するのは事実である。そのとき、生命はいかなるものとして実在しているのか。非生命と関係したうえで実在する生命は、ただあるようにある。生命として実在するからどうのではない。非生命として実在するからどうのではない。相互に関連している。相互に関連していることの意味とは、生命と非生命の境界があって、ないようなものであることを意味しないか。あるならある。ないならない。境界はあるか、ないかとなれば、ないと言わざるを得ないのではないか。