その537

 何かがあるのは、それがあり得たのであり、あり得るための環境がまず先にあって、そこにというか、その流れののうちに何かが出現した。出現した何か以前にそのための要因となる流れがあった。流れゆく万物のうちにさまざまな事象が発生していく。そのうちに生命があった。生命なる現象が流れゆく存在のうちに発生したのだ。この意味で、生命とは単なる現象に過ぎない。さまざまな現象のうちに生命現象がある。非生命の現象もまた生命現象と関わっているとき、すべての非生命現象がすべての生命現象と関わっているのかどうか。生命と非生命も容易には区別がつかない。