その499

 何かがあるといっても、その何かが明らかではないとき、何かがあるといっている、その言葉だけがあり、その実体はあるのかどうか。何にしろ、あるといえばある。しかし、言葉で表現されたことがあるのと、実際にそれがあるのは、違うのではないか。いや、言葉で表現されたことがそのようにあることには確かに一理あり、そのようにあるのかもしれないが、それ以上にその実態について問うたとき、それがそのようにあること以上に、それはさらにその実態を深めていく。そのものはそのものでしかなく、そのようにあるわけだが、いかにあるかについては、その終わりを見ない。そんなことにならないか。

 物質があるとしても、それがいかにあるかとなれば、それはエネルギーであると考えられる。では、エネルギーがあることの意味について掘り下げたとき、その向こうにあるのは何か。たとえば、波動だとして、では、波動があることの意味とは何かといったように、実在についてそのいかなるかへの問いに終割があるのか。