その473

 あらゆる制限から解放された何かが実際にあるなら、それはいかに実在可能か。他の何かがどうあろうと、どう動こうと、まったく関係がない。そんなことが起こりうるか。他の何かがどう動こうともまったく関係のない動きをする何か。それはたとえば、世界にあるあらゆる力と決別していることを意味しないか。あらゆる力とはこの場合、自らにおける力以外の力のことだ。自らの力だけが、自らが動くための原因であり、どこへ向かうかもまた、自らのみが原因であると。

 その存在のいかんのすべてが自らにしかない何か。そのような実在があるのかどうか。他の一切から影響を受けないとき、その力を自らのみから生み出さなければならない。他の何かの一切を頼りとすることなく、自らのみの力によって、それはそのようにあり、そのように動いている。もっとも、なぜその物質がその方向に動いたのか。他の影響が一切ないとき、物質の動く方向が決まるのは、何によってか。