その452

 思考とは何か。考えるとは何か。単に言葉を媒介に、何かについて理解を深めることのみを考えるというのではない。情報の処理が考え、思考することであるなら、存在するものすべてはその思考の状態にある。周囲の存在との関わりから逃れることはできない。そこに石がひとつあっても、その周囲の存在との関係にある。なんらかの情報を受け取り、受け渡している。そこに意思はないかもしれないが、自然と石はその周囲とのやりとりを行なっているのであり、それは考えていることを意味するといっても過言ではない。しかし、それは同じ情報処理といっても、そのあり方に違いがある。人間の行う言語を媒介とした思考はそうした思考であるが、石の行う思考はまた別の話だ。それぞれの個体が持つ、それぞれの思考のあり方がある。世界にはそれぞれの個体の数だけ思考性がある。どのような思考性を備えているか。ひとつの個体において、その思考のあり方はひとつではなく、いくつかある。人間の思考とは、たとえば、言語的である場合と、身体の行う無意識の非言語的な思考がある。どのように情報処理がなされているか。そのあり方によって思考性が異なるのではないか。