その390

 空間と何か。存在しているものが実在するための場だろうか。空間があるから何かが実在していて、それなら、空間の実態により、何かが存在することに影響がある。空間がいかなるものか。いや、空間はあるのか、ないのかすらはっきりとしていない状況で、空間がいかなるものかをはっきりとさせることは容易ではない。あるなら、カクカク然然であるということはでき、信じることもできるが、そういったこと自体が何を意味しているか。まったく間違っているかもしれないことであっても、それが実際にそうだと信じて現実だと思って生きていくことができるほどに私たちは妄想的なのではないか。間違っているのか正しいのか、はっきりとさせることは容易ではないにも関わらず、それぞれに信じていることがある。信じているだけであって、ほんとうかどうかは分からない。ほんとうのことなら信じるもなにもない。