その210

 認識ない存在である私たちは認識外にいる存在でもある。認識内と認識外は容易には分けられない。認識は個人によってなされるのであり、個人差があるのが認識内存在や認識外存在である。物理的に一個の認識内があり、認識外があるのではない。同一の存在に対して認識外と認識内の違いがある。ある個人にとっての認識内存在は別の個人にとっては認識外存在のときがある。あるいは、人類のたどり着いた認識を一個の認識と考え、そのうちにある存在か、その外にある存在かに分けて考えることも可能である。折々に状況によって、その意味するところが変わってくるのが認識内存在と認識外存在の意味するところである。むろん、当然の理であり、いうまでもない。