その146

 存在する可能性とは存在に依存している。現にある存在のあり方次第で続いて現れる存在がある。何かがあれば、そのほかの可能性が必ずある。いずれかになる。他の可能性もあったのか。わずかに違ったすがたになった可能性もあったが、そうはならなかった。どうなったのかは、現にある通りだ。さらなる変転がある。いずれかになる。いずれであるかは定かではない。なってみたときに初めて明らかになる。明らかになったものはすでに消滅しているのではないか。存在はそのすべてが明らかである。一切のひた隠しもない。あらゆる細部が存在において自明である。