その124

 形質なき存在とは何か。形も質感もないが存在する何かとは、いかにあるのか。意味として私たちに見出されないだけで、なんらかの意味を持った存在があるのではないか。なんらかの意味を携えているが、把握されなければ、私たちにはその意味がまったく理解されないことになるが、何かがあるときに、気がつかれていない何かが関わりを持っている可能性はある。それがあるから、ある物事が実在するとき、それについては知らなくても、ある物事があることは知られる。しかし、それがなければならないとき、ある物事はそれ抜きに語れない。それ抜きに語れないある物事を知るためには、それを知らないといけないが、それが何で、どこにあるのかまったく検討のつかない現象が実在するのではないか。私たちの認識には穴がある。どこに空いているのかわからない穴が確かにある可能性を否定することはできない。認識は果てしなく探求される命運にあるのではないか。