その125

 認識とは、何かを認識することと同時に、認識している領域についての認識が欠かせない。認識がどの領域での認識かを把握したうえでないと、認識したことの妥当性が根拠を持たない。確かにそうであるといったとき、その事実が当てはまる領域がある。原理的に存在の果てを見出すことのない私たちはいずれかのうちでの認識を所有しているといった認識を持つことが欠かせない。事実はどこまで有効なのか。いつまでの有効なのか。空間的にも時間的にも認識されたことの領域がある。