その570

 世界は混沌としているが、同時に、秩序だってもいる。秩序と混沌。いったいどっちが先なのか。秩序の中に混沌があるのか。混沌の中に秩序があるのか。なぜ世界があるのかについてその答えとしてはまずこの世界には秩序があるからと言えるのかもしれない。まず秩序がある。だから姿形がある。姿形があることでこの世界がある。混沌だけがあるなら、この世界には姿形がない。姿形がなくとも何かがあることには変わりない。いや、何かといった実体は混沌だけがある世界にはない。あるにはあっても姿形がない秩序のない世界には何も生きていない。私たち人類もいない。まず先に生じた何か。それは混沌だったか。やがては秩序ができあがっていった。そう考えることは自然だ。秩序があって混沌もある。そう考えることはできるが、時間の流れが世界にはある。つまりは、順序がある。どのような順序でなければならないか。世界に始まりがあると措定するなら、まず先に混沌があって、次第に秩序ができていった。世界はいまでも新しい秩序を生み出そうとしているのではないか。現にある秩序に加えて新しい秩序が出来上がって行こうとしている。そう考えることはできる。かつてあった秩序には廃れゆくものもある。全体としてはまず混沌としているのではないか。混沌からまた新しい秩序が生じる。秩序発生器のような混沌がこの世界に普遍的にある。そうではないか?