その316

 現実とは何か。起こっていることの総体か。起こっていることのほどすべてを知らずに生きている。無意識に感じていることがあるかもしれないが、そのことに自覚的ではない。自覚しない何かを知っているとするか、知らないとするか。

 存在するものすべてが現実である。嘘も真も関係はない。真だけが現実なのではない。嘘もまたそのような姿をした真実である。どうすれば現実を生きていけるのか。いかにあろうと存在するものごとをいったんすべて受け止めることに始まるのではないか。そこに現実が立ち現れてくる。立ち向かう私がそこで現実のカオスを知る。秩序だったものは理解しやすい。しかし、現実はそのカオスにある。カオスをカオスのまま受け止めること。そのどこかに秩序がある。秩序とはカオス内秩序のことではないか。存在は起こっていることが起こっているのであり、そのいかなるかはカオスでもなければ、秩序でもない。カオス内秩序とは、秩序のあり方を私たちが認識したときに生じる現象である。私たちの認識する秩序がカオス内在的な意味とは何か。