その259

 存在の性質から考えると、存在するものは何かしらその類似にあると考えるのが妥当ではないか。存在の性質がピュシスとしてまずある。その性質をもとにできあがることでしかないとき、存在は何かしらの類似にあるより他はない。

 ピュシスを元にできあがる何かが一切の類似性を持たない可能性はない。そう言い切るための前提とは何か。ピュシスが一元的でなければならない。存在のうちにいくつもの性質をもったピュシスが実在するとき、存在は多元的にある。存在の広がりを一元的に認識し捉えたとき、そこで初めて多元的なピュシスの実在が明らかになる。多元的なピュシスの実在において、存在の広がりにはいくつもの性質をもった実在があることになる。たとえば、一括りに考えられる地球上でも、存在の性質は一元的ではなく、その実質において多元的であれば、地球上であっても、類似するものと、そうでない、完全に異質のものがともにあることになる。であれば、地球上にその大元を辿れば、異なっているものが一個の地球内にあることになる。