その225

  数が波として実在するとき、1から2になるまでに存在する運動は存在それ自体のうちで波打った状態にあるのではないか。同じく、2から3になるためにも、同一の比率で変化するのではなく、波打った状態で変化しているのではないか。1から2へ、2から3へと変化する過程において、むろん、波が省略される場合がある。1個のりんごが2個のりんごになるとき、その間には何もない。1がいきなり2になる。数値の変化であれば、その連続にあり、かつ、その実質が不連続であることで、数は波打って変化をするが、数の増減には連続的である場合と、断続的である場合がある。1は1であり、2は2であるとするなら、それらはそれぞれが一個のリンゴと同じようにあるが、1から2へと数値の変化があるとき、そこにあるのは波であり、何かが具体的にあることを意味するのではない。何かの存在についての数値の変化とはその具体であるが、かつ、その流れである。りんごが一個あることを述べた1は完全に止まった状態にあるが、数値としての1から2への変化は一切の停止を排除した実在だ。