その184

 言語空間は言語といった基軸をもとに、そのつながりにあると考えられるが、言語空間を含む存在空間において、言語空間内で起こっていることに、無関係性があることから、存在空間には穴があると考えられないか。言語空間はそれとも別次元での話なのか。物質的な存在空間とはべつにあるのが言語空間なのか。そうであれば、物質的な存在空間に穴があいていることはないが、言語は物質であり、物質的な存在空間といったとき、言語空間が含まれると考える他はない。しかし、そのあり方が問題だ。存在空間のなかでどのような場を占めているのか。言語空間とは存在空間における場のことである。どこにある場が言語空間なのか。言語のあるところか。どこに言語があるか、具に検討するしかないのか。具に検討した時に言語の存在する場のすべてが言語空間であれば、その連続性は幻想であることは間違いない。まずさきにあるはずの存在空間において存在する言語のある場は連続しない。物質的に独立したそれぞれの状況で言語は実在し、それら言語が実在する場の総体を言語空間と呼べるが、それはひと繋がりではない。個別の現場に根差した言語がそれぞれある。同一の語であっても、その意味するところは大なり小なり現場で異なってくる。