その183

 言語は合理的に示されることがあれば、不合理に示されることもある。言語空間の総体はカオスであり、秩序だっていないはずだ。総体は幻想でしかない。紡がれた言葉がすべて関連にあるのではなく、言語空間において、関係と無関係が入り乱れているのが現実ではないか。言葉に置き換えられた実質は閉鎖系であり、言外にもその意味をもつが、その運動は有限であり、物質的な言葉を基軸に、その領域がある。基軸となった言葉の外には運動することはできない。ある一つの表現がどこまでその領域をもつか、それは定かではないが、限界がある。その限界を超えた存在が言葉により示されるとき、ある表現がある表現と関わり得ない状況が発生するのではないか。言語空間はカオス的な様相を示し、関係性ばかりがあるのではない。断絶や無関係があることから、穴のあいた状況も発生していると考えられないか。