その108

 感覚を物質的に捉えることは可能なのか。おおよその感覚なら実在しそうだが、厳密に感覚を把握することはできるのか。存在と機能の相互関係から浮かび上がる物質的な実在がなにかしらあるのか。感覚的把握により生じる物質があるならどこにあるか。存在する場のどこかにないといけない。場は動的である。りんごであっても運動する実在であり、その変化そのものがりんごの実質である。変化それ自体が感覚から生み出されるなら、それはそれで物質として認識されてもいいのかもしれない。見えないからといっても、動的な感覚的結実は実在する可能性がある。あることを感覚したとき、確かに何かの感覚を得ている。その手応えは物質的なのではないか。